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解決事例

【解決事例】任意整理で6社・総額800万円の負債を約4ヶ月で解決に導いた事例

解決事例

相談前の状況

Zさん(仮名・男性)は、地方公務員として長年勤務していました。仕事は安定していましたが、同時に「公務員だから大丈夫だろう」という周囲の期待や自己イメージもあり、家族にも不自由ない生活をさせてあげたいという思いが強かったそうです。さらに、子どもの教育費や住宅関連の支出が重なり、最初は「少しだけ足りない分をカードで補う」程度でした。しかし、気づいたときには6社から借り入れをするまでに至ってしまい、総額は800万円近くにまで膨れ上がっていました。

借金が増えた原因としては、大きく3つが挙げられます。

  1. 「いつの間にか増えていた」という感覚
    月々の収支バランスが崩れたことは自覚していたものの、はじめは少額のクレジットカード利用や消費者金融からの借り入れを「すぐに返せるだろう」と安易に考えていました。しかし、金利や利息が積み重なり、ボーナス月でも返済しきれない状況に。結果として別の業者からも借りることで返済を回す“多重債務”状態へと陥りました。
  2. 子どもや家のために支出した費用
    Zさんには高校生と小学生の子どもがいて、教育費や習い事の費用、部活動や塾代などが地味に大きな負担となっていました。さらに住宅ローンの返済と重なり、家計が一時的に苦しくなるときにカードローンで穴埋めをする、というサイクルを繰り返していたのです。
  3. 公務員としての「安定」イメージによる油断
    「公務員は倒産リスクがないから貸しやすい」とされ、金融機関やカード会社から勧誘を受けることも多い立場です。Zさん自身も「公務員なので、いずれ返せるだろう」とどこかで思い込んでおり、返済計画を綿密に立てないまま借り入れ限度額を増やしていきました。その結果、月々の支出がかさみ始めたときには、既に返済総額が自分の想像を超えるレベルにまで膨張していたのです。

こうした事情が重なり、Zさんは毎月の返済に追われるようになりました。月末から月初にかけては、6社分の返済日が重なるため、給料やボーナスが入っても、ほとんど借金の返済に充てるだけになってしまいました。家計管理に余裕がなくなり、家族にも心配をかけたくない思いから、Zさんは誰にも相談できずに悩み続けていました。
「このままでは家のローンも滞りかねないし、子どもたちの進学にも影響が出てしまうのではないか…」と先々の不安ばかりが募っていったのです。

そんな苦しい状況の中、インターネットで「任意整理」や「債務整理」の情報を偶然目にしたZさんは、「本当に自分のような公務員でも債務整理ができるのか?」と半信半疑ながら調べ始め、当法律事務所へ相談に来られました。

相談後の対応

(1)借金問題の見える化と方針決定

まず当法律事務所では、Zさんから6社の借り入れ状況や返済スケジュール、契約書や借入残高の明細などを詳しくヒアリングしました。借金問題の解決においては、「現状を正確に把握する」ことが最初の大きなステップです。

  • 借入金額・金利の確認
    6社合わせて約800万円、金利はそれぞれ異なりましたが、平均すると年利12~15%前後。
  • 支払い状況の確認
    直近1年は、金利分のみか、ほぼ利息だけの返済となっており、元本がほとんど減っていない状態。
  • 家計の収入・支出のバランスチェック
    公務員としての安定収入はあるものの、各社への返済額合計が手取り収入の半分近くになっていた。

弁護士が詳細を踏まえて「任意整理による分割返済の再交渉を行う」という方向で方針を固めました。任意整理とは、裁判所の手続きを介さず、弁護士が債権者(貸金業者・カード会社など)と直接交渉して、毎月の返済負担を減らすことを目指す手段です。

(2)「水平思考」に基づく交渉の着手

通常、任意整理では各社ごとに和解条件を話し合うことになります。「元本をどれだけ減らせるのか」「どの程度の利息カットが期待できるのか」「何回の分割払にするか」など、ケースバイケースで異なります。今回は、債権者が6社と多かったため、従来のように「順番に同じ主張で交渉する」だけだと時間がかかり、条件が折り合わない可能性もありました。

そこで当事務所では、水平思考のアプローチを取り入れて交渉戦略を組み立てました。具体的には、下記のような点を考慮して進めました。

  1. 債権者ごとの特性を見極める
    • A社は過去に借入期間が長く、金利も比較的高かったため、利息制限法に基づく再計算で引き直し利息を検討する余地があるかもしれない。
    • B社は利息制限法の範囲内ではあるが、比較的柔軟に和解に応じる姿勢が見られることが多い(当事務所の過去事例から)。
    • C社は延滞が発生していたため、やや厳しい条件を提示してくる可能性が高い。
  2. 「優先度」や「返済意欲」を丁寧に示す
    公務員であるZさんは安定収入があるため、きちんと計画的に返済すれば完済は十分可能という現実がありました。弁護士としては、「全社とも利息や遅延損害金をカットしてもらえれば、確実に完済できる」旨を具体的な家計収支表を提示しつつ説明することで、貸し手にもメリットがあることを訴えていきました。
  3. 6社同時並行の交渉でスピード感を重視
    交渉を順番に進めるよりも、できるだけ同時並行で話を進めていくことで、各社の対応スケジュールがズレすぎないように調整しました。これは、最初に交渉をまとめた債権者と後続の債権者との間で条件に大きな差が出てしまうことを防ぐ狙いもあります。

(3)月々の返済シミュレーションと示談成立

交渉を開始してから2ヶ月ほど経過すると、徐々に各社と利息カットや分割回数についての具体的なすり合わせが始まりました。中には「元本だけなら返済に応じる」「損害金は全部カットする」という譲歩を示してきた業者もありました。一方で、「一括での返済を求める」と強硬な姿勢を崩さない業者もいましたが、公務員としての安定性を踏まえ、最終的には分割返済案に応じる形に落ち着きました。

各社の示談内容をまとめると、

  1. 月々の返済総額が手取り収入の3割以下になるよう調整。これにより、Zさんは今後の家計運営に必要な資金を確保しつつ計画的に返済できるようになった。
  2. 元本のみ返済 or 大幅な利息カットを受け入れてもらい、最終的な返済総額は当初の借入残高より大きく減額された。
  3. 完済までの期間を長期間に設定。Zさんが「子どもの大学進学などで大きな支出が見込まれる時期」を考慮し、返済額を無理なくやりくりできるスケジュールを組んだ。

その結果、受任から約4ヶ月後には、6社すべてとの示談が無事に成立しました。通常、任意整理の手続が長引くと半年以上かかるケースもありますが、今回は「同時並行交渉」や「家計収支表の的確な提示」などの戦略が奏功し、短期決着に成功しました。

担当弁護士からのコメント

今回の事例で特にポイントとなったのは、以下の3点です。

  1. 問題の早期発見と相談のタイミング
    Zさんは「これ以上自力で返済し続けるのは限界だ」と感じた段階で、迅速に弁護士へ相談してくださりました。多重債務がさらに深刻化してしまうと、任意整理ではカバーできなくなる場合もあります。債務総額が大きくても、なるべく早い相談が解決への近道です。
  2. 公務員でも債務整理は可能
    「公務員=借金できない」あるいは「公務員=債務整理はできない」といった誤解を持たれることがあります。しかし、職業を問わず債務整理を行うことは可能ですし、公務員であることで将来の返済計画が立てやすい分、貸金業者が示談に応じやすい面もあり得ます。「公務員は世間体があるから債務整理なんて」という理由で一人で抱え込むケースも多いですが、むしろ安定収入があるからこそ、計画的に完済できる可能性が高いと判断される場合があります。
  3. 多角的アプローチ
    従来の任意整理では、1社ずつ順番に和解交渉を進めることが多いです。しかし、今回は6社と同時並行で条件調整を行うことで、交渉のスピードと交渉条件の整合性を高めました。具体的には「早期に交渉がまとまった社とそうでない社で条件の落差が出ないようにする」など、各社の特性や業界習慣を考慮し、柔軟に計画を立てました。

結果的に、Zさんは月々の返済負担を大幅に減らし、今後の家計の見通しを持てるようになりました。任意整理が成立した後は、毎月決まった日に指定口座へ返済を行う形で、無理なく完済を目指せる状態になっています。Zさんも「もっと早く相談していれば、こんなに精神的に追い込まれることもなかったのに」と振り返りながらも、「これからはしっかり家計管理を続け、子どもたちの教育費も計画的に準備したい」と前向きな言葉を口にしています。

借金問題というと「自己破産」や「競売」などのイメージが先行しがちですが、任意整理で解決できるケースは多々あります。特に「安定収入があって、何とか分割払いで返済を続けたい」という方の場合、任意整理が最適な手段となる可能性は十分にあります。ただ、借り入れが膨れ上がりすぎると、任意整理だけでは難しくなる場合もあるため、状況が少しでも深刻化する前に早めの相談をおすすめします。

当事務所では、依頼者の方のご状況を丁寧にヒアリングし、自己破産・個人再生・任意整理などの手続きの中から、もっとも適切な解決策を一緒に考えます。特に、複数の債権者がいて「もう頭がパンクしそう」「どこから手をつければいいのか分からない」という状態にある方にこそ、弁護士の支援が大きな助けとなります。一人で悩まず、ぜひお気軽にご相談ください。